何はなくとも漫遊走

ふらふらとマラソンと山登りについて書いてます。。

時々山登りも。

雌阿寒岳登山 ~夏山、噴火口ときのこと温泉と その2〜

頂上からの景色は最高と言えるものでしたが、雌阿寒岳の頂上は遮るものがない拭き晒しだったので、あまりにも強い風に負けて早々に退散となりました。


下山は頂上から噴火口の縁をさらに進んでゆき、登ってきたのとは火口を挟んでちょうど反対側からおりてゆきます。


火口の縁に沿って降りてゆくと正面に綺麗な台形の阿寒富士が見えて来ます。名前の通り形と草の生えていない山肌と遠く見えるジグザグの登山道までそっくりでした。


雌阿寒岳とはセットで登る人が多いですが今回は飛行機に乗りそびれる訳には行かないので眺めるだけで降りてゆきます。


登って来たのと逆の順番で石と砂の道から、低木と草に周囲の景色は変わりやがて樹林帯に戻って来ました。


時間も午後近くになって来てすれ違う人も減って来ました。反比例するように道端には再びキノコが大量に増えてきます。


前日訪れたアイヌコタンのお土産屋さんの店主が「松茸が生えているよ」と話してくれたものだからキノコと見るや松茸ではないかと凝視してしまう。
足元には注意。


やがて下山完了してオンネトーキャンプ場に到着。オンネトーは森に囲まれた静かな湖。
こんな所にテントで一日中のんびり過ごすのは中々の贅沢だろうなと思います。


湖沿いの木道から再び苔とシダ植物が生い茂る樹林帯にに入り、緩い尾根を一つ横切ると朝出発した登山口へ到着しました。


ぐるりと一周4時間50分の山行でした。もう少しゆっくりでもよかった気がしますが、休む場所のタイミングがなんとなく合わず、全体的にあまりゆっくりとした休憩がない登山になってしまいました。


少し急ぎ気味の理由はもう一つ、飛行機に乗る前に確実に風呂に入りたかったからと言うのがあります。
当初予定では阿寒湖まで車で戻って立ち寄り湯を探すと言うものでしたが、よくよく考えて見るまでもなくここ登山口は雌阿寒岳温泉。目の前に温泉アンド国民宿舎がありました。


立ち寄りもOKとの事で早速準備してお立ち寄り。
施設入ってお風呂は渡り廊下を歩いた先。渡り廊下には沢山のサイン色紙がありますが、ちょっと古くてわからない方も多数。中々の歴史のある温泉のようです。


質素な脱衣所の先にあるのはかなり年季の入った洗い場まですべて木製の湯船と露天風呂。
そして水色に濁った(変な表現ですが)色々と効能のありそうなお湯。


とても風情があってお湯も素晴らしく気持ちの良い掛け流し温泉です。
ただちょっと困ったのはシャワーや石鹸が無く体も頭もちゃんとは洗えない。そして露天はほぼ柵が無い丸見え状態。(後でみわこさんに聞いたら女湯も同様で流石に入れなかったとの事でした。)


想定外に面白くて気持ちの良い満足のゆく風呂でした。
その後は車を駆ってちょくちょく寄り道しながら飛行場へ行き東京へ。


北海道の山の山頂からその日のうちに家に帰り着くと言うのも文明がもたらした不思議だと思いながら自分達なりに盛りだくさんの旅を終えました。



噴火口その2と阿寒富士。手前の池は青沼というそうです


荒涼とした火口縁。こういう感じも好きです


まさに富士


きれいなキノコ発見(その1)


きれいなキノコ発見(その2)


オンネトー。静かな湖です



ゴールへの最後の森の中


オンネトーからの雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)


飛行場からの夜景(釧路の空からお見送り)


飛行場からの夜景(東京の街かお出迎え)

雌阿寒岳登山 ~夏山、噴火口ときのこと温泉と その1〜

雌阿寒岳(めあかんだけ)は北海道釧路市の北部の阿寒湖側に位置する百名山に数えられている山です。名前に雌(め)とあるので当然のように雄(お)阿寒岳という山もあります。


雄阿寒岳は雌阿寒岳から阿寒湖を挟むように立っていて雌雄で寄り添うと言うよりは向かい合っている感じがします。


民宿で朝食を取って出発。車で最初にセイコーマートでランチと飲み物を購入して登山口の雌阿寒岳温泉へ。


登山口は既に車が多く停まっていましだが臨時の駐車場に隙間を見つけて停車。その後準備する間にほぼ満車に。時間的にはぎりぎりだった。


駐車場横の林の中から登山開始。しばらくは森の中の緩斜面が続きます。
登山道は整備されているので歩きやすいですが、足元目に付くのは数々のきのこ、苔、シダ植物。湿気が多いというよりは樹林が濃く光が入らず地面が乾きにくいためという感じがします。


そして進につれ徐々に斜度が厳しくなり高度を稼いだ先、四合目を過ぎたあたりで唐突に森林限界を抜けると正面に青空と頂上の岩肌、そして振り返ると遠くまで続く緑の森が眼前に広がりました。


ハイマツと岩の斜面は実際の標高以上の高度感でとても爽やか、足元に見える緑の森は深くどこまでも続いているので、真ん中あたりに放り込まれたら絶対出てこれなそう。さすがの北海道の広さを感じます。


折り返しながら更に高度を上げてゆくとオンネトーも見えてきました。今日は本当に天気が良くてありがたい。


そしてハイマツがだんだんとなくなり、頂上と思われる稜線がはっきりと見えてきたあたりから完全に岩場の道となってきました。
足元の岩が灰色から赤茶けたものが混じってきたあたりから硫黄の香りが漂ってきました。


ここまでの樹林とハイマツ帯では感じられ難かったですが、雌阿寒岳が活火山であるということが急に主張されてきた気がします。


そして、下から見えていた稜線の端にたどり着くと、眼前には巨大な噴火口が待っていました。
噴火口の底には土と池が見えますが、その周りを囲む赤茶や黄色で岩は荒々しく、急角度で自分たちの立っている縁まで続いています。
そしてその岩壁の数か所から煙が上がっているのも見えます。


あまり思ったことは無かったのですが、少し怖いかなとも感じます。
噴火口に沿って足場の悪い岩道を登ってゆくとやがて頂上、最高点にたどり着きました。


空は薄曇りに変わってきましたが、雨天も予想された天気予報の中上々の天気です。
北西部には茶色の斜面と別の噴火口と思われるものが見えその先に、阿寒湖、雄阿寒岳が見えていますした。


遠近の山並みが見えて360度の展望が広がり大満足。北海道広くていいなぁ。


(続)



登り始めはこんな感じの森の中でした


時々途切れましたが〇合目の看板が出ていて歩きやすいです


きのこ、そのいくつ目か


樹林帯を抜けたところ。気分が上がってくる瞬間です


緑広がる景色


岩場なのにセミの鳴き声が近くですると思っていたら足元にセミがいました


荒々しい噴火口。滑り落ちたらおおごと。下の池は赤沼というそうです


頂上への最後の登り


頂上の印の看板(とてもひかえめ)


阿寒湖と雌阿寒岳

雌阿寒岳登山 ~夏山、噴火口ときのこと温泉と その0~

山登りで北海道に行くというのは想像はしても現実感が湧きにくいのか、なかなか実行出来なかったのですがでこの夏遂に実現しました。


とは言え北海道となるとついつい山登りだけでは勿体ない気分も沸いてきて、夏の旅行の中に組み込み計画となりました。


旅行は3日間。その最終日に雌阿寒岳に登るスケジュールです。


初日、釧路空港からレンタカーを借りて最初に空港近くの丹頂鶴自然公園へ丹頂鶴の親子に会いに行きました。
子の方はだいぶ大きくて、自身勝手な解釈では中学生くらいの茶色の若者といったところかと。


そこから途中でチーズ店のソフトクリームを食べて釧路市内へ向かいます。道中国道沿いで佇んでいる野生の丹頂鶴に出会いました。


釧路市内でチェックイン後は物産館と夕食へ。
夕飯を炉端焼き屋で干物、焼き物、お酒を堪能した後、ホテルの温泉に浸かって初日が終了しました。


翌日の2日目は午前中に釧路川をカヌーで川下りをしました。
かなり昔に野田知佑さんがTVCMか何かで犬と一緒に湿原にカヌーを浮かべている映像を見て以来、釧路湿原でのカヌーは密かな憧れでした。
当日は残念ながらの雨でしたが、登山用の雨具を着込んで静かな湿原の川面に浮かぶのは感慨深く楽しい時間となりました。


カヌーの後は市内に戻り、市場で自分の好きなネタを乗せる事ができる勝手丼を堪能。
そらから車で北上してソフトクリームと足湯の寄り道をしながら雌阿寒岳の麓、阿寒湖を目指しました。


阿寒湖に着いてからはアイヌコタンでお土産の物色をして、翌日の山での行動食をセイコーマートでチェックして本日の宿の民宿へ。
宿で鹿肉料理の夕飯を食べて、明日の準備をして好天を祈って就寝となりました。


いよいよ明日は雌阿寒岳。気温や空模様や飛行機の時間など少々の不安はありますが、お土産の方が明日はいい天気だよと行っていたのできっと万事大丈夫。


(続)


炉端焼き屋さんの椎茸焼き。
お酒が入っていてこれがホントに上手い!


広い湿原と静かな湖面。
釧路湿原が濃い緑色なのは限られた期間だそうです。


自分でネタを選ぶのに目移りしてしまいます。


北海道と言えばやっぱりソフトクリーム。


鹿肉!阿寒湖周辺では野生の鹿を何度か見かけました…。