何はなくとも漫遊走

ふらふらとマラソンと山登りについて書いてます。。

時々山登りも。

飯豊連峰登山 〜孤独な小冒険の旅その3〜

飯豊連峰登山の2日目は朝3時の起床から始まりました。


ヘッドライトの明かりを頼りに朝食を済ませ準備を整えて外に出ると山の上の方はガスが掛かっていましたが、風はそれほど無く穏やかと言えるまずまずの状態でした。


少しづつ明るくなる空の下、最初の登りは雪に覆われた広い斜面。斜度がきつめで高度が稼ぎやすいですが、時々キツすぎて斜めに登ったりします。


草履塚という小ピークまで登り一旦降るとそこからは雪が無くなり岩稜帯の登り。
岩場は少し緊張感は増しますがここからがいよいよ飯豊山本山頂上への登りになります。


少しづつ青空が見える時間が増えて天気が回復しているのを実感し、気分も上昇ムード。
岩場を抜けて石がゴロゴロする斜面を登り切ると少し先に本山小屋が見えました。


切合小屋からここまでの工程を考えると昨日無理をしなくてよかったと思いました。
本山小屋の前を通過しますが、こちらの小屋も昨夜は誰も宿泊が無かった気配。


ここまで来ると頂上まではあと20分ほど。
道は広く緩やかな斜面なので快適です。後は頂上付近に居座るガスが晴れてくれるのを祈るのみ。


程なく頂上へ到着。


実際の距離以上に遠かった感じがして感激をひとしお。
風が強くて周囲の雲が流れているのでもしやと期待して待っているとだんだんと周囲が晴れてきました。
素晴らしい景色のボーナスに対して誰にともなく感謝。


写真を撮ったりして約20分程頂上を独り占めした後は下山開始。


もう少しのんびりしたかったけど今日はここからが長いので。


頂上から北に伸びるダイクラ尾根。漢字で書くと大嵓と書くらしいです。


途中険しかったり道がわかりづらかったりするところもあるらしく少し緊張気味に降り始めますが、まずは最初の30分ほどを無難に下山。


このままの調子で行ってくれたらいいなと思っていましたが、ここからがアクシデント連発。
本当に長い降りとなってしまいました。



朝の空模様



可愛らしいお花2


晴れてきた空



鎖付きの岩場もありました


頂上への登り



本山小屋(頂上近くのいい場所に、立ってます)



頂上到着



太陽と雲海



先のルート(今回は行きませんが気持ちよさそう)


頂上の景色をぐるりと一周



記念写真(顔がぼろぼろなので)

飯豊連峰登山 〜孤独な小冒険の旅その2〜

朝から登り初めて、三国小屋を12時に出発して目指すのは今日の宿泊予定地の切合小屋。かもし上手く行くようならばその先本山小屋。


次の日の事を考えると少しでも先に行っておきたいところです。が、天気は今ひとつ。
景色があまり見えない中、長々と歩いてもあまり楽しくなさそうで何しに来たのか分からなくなってしまうのも悩ましいところなので、どこまで行くかはもう少し様子を見て決める事に。


三国小屋からは楽しみの一つ稜線歩き。
のはずでしたが登山道は尾根を外れるたびに雪渓の下に消えてしまい、その都度雪渓の上を歩くためアイゼンを付けたり外したり。
あるいは雪渓と地面の間のツルツル滑る草の上を慎重に進んだりして全然思うように進みません。


まぁそれでも静かな山の上を進む気分の良さに満足していた時、好時魔多し。
雲が切れて一瞬青空がのぞいたのを見惚れて何も考えずに濡れた草の上に足を置いてしまい、あっと思う間も無くバランスを崩してしまいました。
倒れる刹那に反射的に身体を斜面に向けたところ目の前に地面から除いた岩があり、顔を思い切り岩にをぶつけてしまいました。


転落はしなかったもの口の周りがやたら痛く、どうやら唇の内と外何ヵ所か切っていて吐いた唾に血が混じるのが我ながら痛々しい。
恐る恐る前歯を触って見て折れたりぐらついていないのを確認して少しホッとしましたが気持ちは凄く萎え、落ち込みました。


しばらく座って心を落ち着けて再出発。
慎重にゆっくりと先へ進み、切合小屋前の最後のピーク種蒔山へ。


ここはかなりしっかりと雪が着いているのでほぼ雪上を進みますが、頂上付近は完全に道が無くなっています。
森林限界を超えているので方向を迷う感じではありませんが元の道からあまり遠く外れないようにルートを選んで進んだのでここでも予想以上に時間を食いました。


頂上らしきところを越え、降りになって雪渓から登山道に戻り少し行くと切合小屋に到着。
転倒もあってすっかり先に行く気が萎えてしまっていたので今日はこちらに宿泊させていただくことに となりました。


小屋はシーズン外という事で管理人は無人。利用者もこの日は自分以外には誰も無し。
2階の畳の大部屋に荷物を広げて、雪を溶かして水を使って、ストレッチして夕飯を食べたら後はやる事も無く翌朝が早いのでさっさと寝袋にはいりました。
風がビュービュー強くて小屋を揺らす中、明日の好天を期待して眠ります。



登山道を覆う雪のかたまり


すっきりしない空と雪に覆われた斜面


振り返ってみた景色


名前がわからないですが可愛らしいお花


切合小屋


ささやかな夕飯


一人で過ごした小屋の中

飯豊連峰登山 〜孤独な小冒険の旅その1〜

飯(めし)が豊かと書いて飯豊(いいで)と読む飯豊連峰はその名の通りに福島県、新潟県、山形県という米どころ三県にまたがって広がる広大な山域です。


中心となるの主峰の飯豊山本山標高は2105mとそこまで高いわけではありませんが、山容の大きさから登るのにどうしても日数が必要になってしまうなかなかの難敵です。


6月の初週、テレワークでの就業後に電車で会津若松まで行きそこでホテル泊。翌朝、磐越西線で山都駅まで行きそこからタクシーで今回の登り口となります御沢登山口まで向かいました。


登山口は道路脇のひなびた感じを想像していましたが実際は20台くらいは停められそうな広い駐車場でした。タクシーの運転手さんによるとシーズンになると満車になるとのことですが、この日は停まっている車は一台もありませんでした。


管理事務所に登山届を提出してから靴紐を閉めてストックを用意してと準備を整えていざ出発。

天気は曇り。


少し行くとすぐに急登がはじまり、所々休みながら1時間半ほど登って尾根上にでた辺りから残雪が登山道を覆い始めました。

まずはそのまま登ってみますが、斜度がきつくなってくると足元がズルズルと滑るので新調した6本爪のアイゼンを早速登場させます。


今日最初のポイント地蔵山の頂上は雪で覆われていて正確な頂上の位置が分かりませんでした。ここから見えるこの先の稜線は雪と緑がまだら模様。雪があるだろうとは思ってたけど予想より少し多いかもしれないです。

天候は引き続き曇りですが時々パラパラと雨が落ちてきます。どうかこのまま持ってください。


雪の斜面を一旦くだると雪がなくなり、群生するカタクリが気持ちを癒やしてくれました。


ここから次の三国岳までは岩稜帯になります。時々ロープや鎖が出てくるのですが慎重に進めば大丈夫。心配は天気でしたが遠くでカミナリがゴロゴロ鳴ってるのが聞こえてきたものの何とか雨に降られる前に三国小屋に到着できました。良かった。


一息ついているとパラパラと雹が降って来たので三国小屋に一時避難をさせていただきます。無人の小屋の玄関口で数分待っていると程なく止んでくれたので改めて出発。


今日の宿泊はここから約2時間先の切合小屋かその先更に2時間先の本山小屋。時刻は12時。ここまで順調に来れたのと天気も何とか持ちそうなので予定通り先を目指します。



登山口の管理小屋



早くも現れた雪



結構な量が積もってます



不穏な雲行き



カタクリが群生



岩場の登り



三国小屋